空気が読めない強み

ブリュッセルに出張に行ってきた。
現地の偉い役人とのミーティングが目的だった。
会社が雇っている現地の弁護士が実務はやってくれるのだけれど、会社の代表としてミーティングに出席した。

会社の代表としてとはいうものの、うっかり失言などできない。
話すのは現地の弁護士任せで、まあどんな感じなのか様子を見てくればいいという話になっていた。

いざ、ミーティングが始まると、なんか納得がいかない。
会社側の弁護士はいろいろ議論しているが、今一つ先方の態度に納得がいかない。
「すみませんが」と口を挟んだ。
「法律的な議論としてはご説明は分かりますが、当社としてはこのやり方を不公正な取り扱いを受けていると感じています」
ぶっきらぼうに言い放った。

先方はびっくりしたらしい。
明らかに慌てて、「不公正な取り扱いをするということは絶対にない」などと言っていたが、その後は弁護士だけではなく、私の方も気にしながら話すようになった。
私がまずいことを言いそうだったら止めてね、と弁護士には頼んであったのだが、隣で弁護士は役人側の反応を面白がっていたようだった。

後で聞くと、こういう場で日本人が、自分側の弁護士を通しもせずに、直接役人に文句を言うというのはとても珍しいらしい。

思ったのだが、私は空気を読まない(読めない)分、その場の雰囲気にのまれるということがないのではないか?
理屈が通らなければ変だと思うのは、相手が誰であれそう思うし、そう思えば言う。
そして仲の良い同僚に言われたのだが、「あゆみは無駄に愛想を振りまいたりしないから、日本人にしては異質に見えるんじゃないの?」とのこと。褒められているのかどうか分からないが、確かに愛想は振りまかない(振りまけない)。この時も、英語力のせいもあるが表現はぶっきらぼうで、そして悪気はないのだが無表情だったと思う。
そりゃ相手はびっくりしたかもしれない。

空気が読めないのは、プラスに働くこともある。

子宮体がんの検査結果

先月から不正出血が止まらなくなり、なんとなくマズイんじゃないかと怖くなって一応検査に行っていた。
まあ、ストレス多かったから、ストレスで自律神経がくるっているのだろうとは思ってはいたのだが。
それでもやはりまずは体の異常がないことを確かめないといけないので、子宮体がんの検査をし、お薬を飲んでいた。

結果を聞きにいってきた。
20人ぐらいのお医者さんがいるクリニックで、診察室も入った診察室番号が16番だったので、20人のお医者さんはほぼ常勤だろうか。婦人科専門クリニックとしてはそこそこの規模だと思う。
そして診察室に入ると、お医者さんの机の上に名札が置いてある。
そこに「副院長」と書いてあった。

・・・・・・。
嫌な予感がした。なぜ、突然副院長? 前回は普通のお医者さんだった・・・・・・
やっぱりアレか、重大な結果を言うには、院長とか副院長とかから言い渡すものなのか。

そうびびっていると、先生は検査結果を取り出し「はい、これ検査結果ですね。異常はなかったです。良かったですね」
良かった~、脅かさないでくださいよ、先生。
(勝手にびびってたんですが)

「何も治療しなくていいですか」と聞くと、「だって異常ないんですから、治療のしようがないでしょ。まあご年齢的に、不調が生じやすくなってきます。また何か異常があったら来てください。ご年齢的に多少不規則になっていくぐらいは普通のことですからね」
ご年齢的に、ご年齢的に、って何か癇に障るな!
微妙なお年頃なんだぞ。

でも異常がなくて良かった。というか、やっぱりストレスって体に出るんだなあ。

お医者さんに「私頭痛もちで、片頭痛のお薬が切れちゃったんですけど、ついでに処方していただけますか」と聞くと、先生は苦笑しながら「しょうがないなあ。それやりだすと収集つかなくなっちゃうから、本当は駄目なんですよ。今日はサービスしときますけど」と言いながら片頭痛のお薬を処方してくれた。
へー、そうなのか。メンタルクリニックの先生は何のお薬でも、それこそ目薬まで出してくれるので、お医者さんてそういうものだと思っていたのが、いろいろ方針があるのかもしれない。
「どのお薬が欲しいんですか」ときかれ、「ゾーミッグお願いします」と言うと、先生は「ゾーミッグ……処方したことない。えーと、どんなお薬だろう」とつぶやきながら手元のお薬辞典を見て確認して、処方してくれた。
正直だし、分からないことを調べるのは正しい。でも、飲み慣れたお薬でなかったら、こんなんことされたらちょっと不安だな。

メールにほっとする

通院をやめたばかりのメンタルクリニックの先生にメールした。
以前、事情があっていただいた特殊な資料のコピーを他人に見せるにあたって、見せてもいいか確認した。
本来もらった目的とは違うので、一応聞くのがマナーだとは思ったのだが、駄目と言われることはまずないだろうと思っていた。

ただ、メールを送るには悩んだ。
私はこれは先生にメールしたいだけなんじゃないか?
口実を作っているだけじゃないか?
だって、きっと先生は駄目だとは言わないよね? 自分でもそう思ってるよね?
……とはいえ、無断で見せてしまうのは、やっぱりなんとなく気が引ける。

迷った末、こういう文面にした。
「○○の資料を××ということで使いたいと思っています。使って構わないようでしたら特段のお返事はご無用ですが、もし問題があるようでしたら△△日までにお知らせいただけないでしょうか」
これなら、確認するという礼儀は一応果たした。で、かつ、返事が来ないことを予想出来るし、それで良い。

送ってすぐ、ほんの10分ぐらいでメールが着信した。
誰だろうと思って見ると先生だった。こんなに素早く返事をもらったことがないのでまさか先生だとは思わなかったのだ。
「ありゃ。意外とまずい資料だったのかな?」と思いながら返信を確認すると、「かまいません。自由に使ってください」とのことだった。

かまわないなら返事いらないって書いたじゃん。
……それを読み落としたわけじゃない、気がする。
その後どうですかとか体調は大丈夫ですかとかそういうことは書かれていなかったけど、少し気にかけてもらっていたんじゃないかという気がして、ほっこりした。

すぐにメールをしたくなったら依存だと思う。
でも、返信不要に作った文面のメールに返信があったことにほっとするのは、まあいいかな。
この線引きがどこにあるのか自分でもよくわからないけど、でも、ほっとしたから、良しとしたい。

「ありがとうございます」とだけ、返信した。
この「ありがとうございます」にはそういういろんな気持ちが込められてるんですよ、先生。
さすがにそこまでは読み取れないだろうけど。

縄跳び

この前実家に顔を出すと、母が久しぶりに十八番の「あんた(=私)は、子どもの頃から本当に変わってた」と言いだした。
「はいはい。どう変わってたの?」と言うと、「どうって言われても……。そうねえ、例えば保育園の頃、あんたクラスで最後まで縄跳び飛べるようにならなかったのに、飛べるようになったらクラスで縄跳び大会のチャンピオンベルトもらってたのよ」

……お母さん、それって「変わってる」例ですか?
むしろ「子どもの頃から努力家だった」と褒めて欲しいぐらいです。
発達障害のある人は協調運動障害(極端な運動音痴)を併発することが多いそうで、私も該当する。

この縄跳びは私自身覚えている。
どうやっても縄跳びを連続して飛べない。1回は飛べるのだ。回して、縄が来るところでぴょんと飛び越える。そこまでは出来る。
それで止まってしまう。次が続けて回せない。
なぜみんな出来るのに自分に出来ないのか、悔しかった。
一生懸命練習した。飛べなくても飛べなくても、一生懸命繰り返した。

その後飛べるようになってからクラスで縄跳び大会のチャンピオンベルトをもらったことがあるのは事実だ。これも覚えている。
ただこれも、どちらかといえば技術より根性だった。
たいていみんな、何十回か飛んでると飽きてくるので、いいかげんになってきてひっかかる。
私はこういうとき、異常な集中力を張り詰めるので、1回目に飛ぶときと同じ気の張り方で何百回でも飛ぶ。
ただ、楽しくない。「ひっかかってはいけない、ひっかかってはいけない」と、恐怖といってもいいほどの強迫観念で神経を張り詰めて飛んでいた。

それでもまあ、確かにクラスで飛べるようになるのが一番遅かった子が、チャンピオンベルトまでもらうぐらい飛べるようになったのだから、努力はした。そして努力は報われた。
けれども、同時に「努力で出せる成果には限界がある」ということも、すでにこの頃に知ってしまった。それも縄跳びだ。

このチャンピオンベルト、普通の前まわし飛びで引っかからずに何回飛べるかを競うものだった。
ここまでは努力と気力で何とかついてこられたのだ。

しかしその後、周りの子たちは、後ろ飛び、二重飛び、交差飛びなどどんどんと新しい難しい飛び方を覚えていく。
私も必死に練習した。だって、前まわし飛びは練習したら出来るようになったのだから。
練習すれば出来るようになるはずなのだ。

でも、出来なかった。
ついに出来るようにならなかった。
保育園の頃だけではない。小学校に入り、クラスで出来ないのは私だけになっても、もう努力と気力ではどうやってもみんなについて行かれなくなってしまっていた。惨めだった。

母は小学校で私がどれほど縄跳びを苦痛に感じていたか知らない。

結局お薬

この3日ほど、夜寝る前に結局リスパダールを飲んでいる。
駄目だなあ。
お薬に頼らないって決めて何日よ。

サイレースとデパスも使っている。

それでも飲み残しがある間だけ。
それが終わったらやめるしかない、と思っていたけれど。

前のクリニックと違うところに行けばいいんじゃないか?
そうすれば少なくとも、お医者さんへの依存だけは卒業できるんじゃないか?
噂に聞く、処方箋吐き出し機みたいな精神科にいけばいいんじゃないか?

こうやってどんどん言い訳作って、いつか元の木阿弥なのかな。
意思は強い方だと思っていたのに。

あー、いろんなことがうまくいかない。
プロフィール

あゆみ

Author:あゆみ
大人の(成人)発達障害です。
子供の頃から対人関係が苦手、就職後も職を転々。40代に入り上司のパワハラに参ってしまったのをきっかけに精神科の門を叩き、発達障害と適応障害を診断されました。
もはや40代、会社勤めも一応は出来てる、今更発達障害と言われても……と思いつつ、この先の人生が少しでも楽に過ごせるように日々苦戦しながらいろいろ考えてます。

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