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とりあえず謝るということ

お医者さんが「メールで連絡してもいい」と言っていたくせにいざ私がメールしたら返信をくれず、ぶーぶーと怒っていた件について。

私は口先だけで謝るぐらいなら謝らない方がマシなんじゃないかと今まで思ってきたけれど、いただいたコメントで
>、「とりあえず「責めてしまってごめんなさいね」と謝って」、こちらに関係を続ける気があります、と表明するということ
というのを読んで、おお・・・と思った。なるほど。なるほど。
そしてさらに
>不誠実か、心の底から自分が悪かったと思っているかということとは無関係で、これは「関係を続ける気がある」という合図として使うと解釈で。
というのを読んで、「これなら私にも出来るかもしれない」と思った。
私が「悪かった」と思っているかどうかは無関係でいいのか。
関係を続ける気がある、という合図なのか。
悪かったと思わずすみませんといっても不誠実ではないのか。

通院先のメンタルクリニックの待合室で心の準備をした。
「別に、悪いと思って謝るわけじゃない。メールしていいと言っておきながら返事もくれなかったのはお医者さんの方。悪いというのなら先生の側。でも私もまあ、『先生は不誠実です』とまで言ったのは悪かったかな。それに、関係を続ける気、はある。その意味でならすみませんでしたぐらいは言えるかもしれない。というか、言ってみよう」
・・・でも先生、怒ってるかなあ。怒ってたら、困るなあ。患者から不誠実とまで言われたら、怒るような気がするな・・・。

名前を呼ばれ、ドキドキしながら診察室のドアを開けた。
「こんにちは」と言った先生は妙にニコニコしている。
あれ、先生、忘れてる? ま、いちいち患者の言うことなんて気にしてないんだろうけど、忘れられているのも・・・。
謝ろうと思ったのも忘れ、一瞬むっとした。

すると先生はこう続けた。
「この前はあゆみさんに怒られちゃったなあ。メールに返信できなくてごめんなさい」

え、えー!
先生に先手取られた・・・。
先生から謝ってくるか・・・?

しかしここで、私はこう思った。
「先生は、私との関係を続けようと思って、この前のことはもう責めませんって言ってくれているのね」と。
今までだったら「悪いなんて思ってないくせに、口先だけだな」と思ったであろう場面だ。
ニコニコしながら謝るって、誠意のない謝罪と思いそうな場面だけれど、「仲直り」なら意味が通る。
そう思ったら、ちょっと素直な気分になった。

「この前は言葉が過ぎました。すみませんでした」
これは本当にそう思えたので、あまり理屈やこだわりも感じずにいうことが出来た。

相手が謝ってくれたら、「口先だけ」って思う必要もないんだな(事情にもよるとは思うが)
相手が悪い場面じゃなくても、それは仲直り(?)のサインでいいんだな。

先生、大人。

学ばせていただきました。ありがとうございます。
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仕組みがわかれば…

どんな意味が謝罪という行為に含まれているのかがわかると、使いやすいですよね。
ちなみに、「謝り方が不誠実です、本気じゃないでしょう」と「すみませんでしたね」と言ってくれた相手に言い返すと、「あなたのことを許す気はないです、ここでもっと違う態度で謝罪してくれて私が納得しない限りは、関係はここで終了です」という宣言と同等になります。
 相手は、「そんなにひどく怒っているの?こっちが関係を続ける気があっても、あゆみさんからは継続を拒否されたってことね」と思って、もう関係終了でしょうがないのだな…と思われる可能性が上がります。

 ただの知り合いなら、そこで関係終了になってしまっても大したことはありませんが、これからも顔を合わせなくてはならない人の場合は、あゆみさんも関係継続を望むのですから、そこで今回のように「こちらこそ、すみませんでした」と言っておくことで、「あなたの謝罪を受け入れましたよ、関係継続します」という合図になります。
 つまり…「定番のやり取り」で、形が決まっているということです。一度覚えてしまえば、便利に使えますよ。

Re: 仕組みがわかれば…

>まこさん

いやー、勉強になりました。ありがとうございました。そして先生と関係継続できて良かったです。
「ごめんなさい」「すみません」て、こういうふうに使えるんですね。
おかしい。子どもの頃にとりあえず謝ると、反省しないで謝っても意味がないと言われたような気がします。
世の中の人はどうやって謝罪の正しい使い方というか、謝罪に含まれている意味が分かるようになっているんでしょう。みんなちゃんと親や先生に教わっているんでしょうか。

というか、なんでそんなややこしい意味を謝罪の言葉に込めるんでしょう。だって、「悪いとか悪くないとかは置いておいて、あなたと関係を継続する気がありますよ」という意味なら、そう言えばいいじゃないですか…。「私もどちらが悪いかはこれ以上追及しません。仲直りしましょう」という意味なら、そう言えばいいじゃないですか…。
難しすぎます。
でもこれはせっかく覚えた技なので、これからの人生使っていこうと思います。

補足

謝る時に「自分は悪くない!」と思っている態度だと、相手に「こいつ、自分は悪くないないという態度をはっきり見せているってことは、口で謝っても、本気では仲直りする気がないんだね」と思われて仲直りが難しくなります。
 「自分が悪くなくても、これからつきあわなきゃいけないので、関係修復したい」場合もあるので、その場合には、もう「仲直りするための演技力」を出して、仲直りという結果を手に入れるほうを優先します。決裂してもいいのなら、自分の心の思うままの態度を出してもいいのですが、その場合、仲直り(=円滑な人間関係)よりも自分の気持ちを優先にするわがままな人である…ということは周りにわかってしまいますから、評判が悪くなります。
あゆみさんが子供だった頃のケースですが、
1:今回のことは、常識的に判断すると、あなたが悪いから、謝るものなので、そうしなさい」という子供の行動が悪かった場合
2:「あなたが悪いというわけではないのですが、今は、あなたが悪いと思って、悪かったと思っていますという態度で謝るのが一番問題が少なく、早く決着がつくので、そういう態度を取りなさい」という子供の行動が悪くなかった場合
この2つがあって、あゆみさんが悪かった、悪くなかったどっちにしても、「早く問題を終わらせるために」同じ結論(つまり悪かった、という態度を見せて謝りなさい)にたどり着いています。この場合、長引かせて、時間を取ることはいいとされていないので、さっさとこの問題は終わらせなさいというわけです。
大人の場合は、自分が本当は悪かったと思っていても気持ちがついていかないとか、本当は悪くなかったとか思っていても、演技力があれば悪かったと思っているフリが出来ますが、子供には、まだ、外に出る表情と、思ったことを別々にするという機能は発達していないので、それが出来ません。それが出来なかった時に、「あなたの謝り方では、十分ではないので、問題を終わらせるには足りません」という指摘がこの「悪いと思っていなければ、謝る意味がない」というセリフになるのです。つまり、「悪いと思っている=態度が謝る時にふさわしいものになる=問題がこの場で早く終了まで持っていける」…という結果が出ないですよ、という指摘なんですね。結果が出ない=意味がない。
問題を終了させるためには、適切な態度で謝ることが必要なので、本当に悪いと思って、沈痛な表情で、声を静かに、なおかつはっきりと謝れるのならそれでOK、本当に悪いと思っていなくてもそういう風に見える謝り方が出来れば、人間は心が読める超能力はないので、お互い「もういいですよ」と思うことになっています(どこにも書いてありませんが、そういうルールになっています)。
ただ、説明するとこのぐらい長くなるので、「態度を変えて、やり直せ」という指摘を短いセリフでやると、「悪かったと思ってないのに謝るな!」となるんですよ。このセリフで、定型発達の人は「あ、さっさと終わらせようと思ったら、今のだとダメなんだな…」と判断して、態度を変更することが多いです。子供の場合だと、2、3度やってもだめ…だと、「うまく出来るまで待っているわけにもいきませんから、さっさと問題を終わらせましょう」ということになって、親が代理人として謝っておくことになります。
 こういうことは経験不足だと出来ないのは定型発達でも同じですから、問題の当事者で地位が上の(=経験を積んだ)人が、出来ない人のために謝っておくのが「責任を取る」という行為で、未成年の場合は親が責任を取る、会社の場合は上司が責任を取る…というようなことになるわけで、会社の不祥事の場合はどんどん上までいって、一番上まで責任取らせましたよ、ということをみんなに知らせるということでテレビでお詫び会見するのを見せるってことですね。
 「本気で社長が悪いと思ったからお詫びをテレビで放送した」と信じる人は少ないですが、型通りに「問題を終わらせるために」悪かったと認めて、それにふさわしい態度で謝りました…ということは、結果から逆にたどると、ふさわしい態度で謝ったということは、つまり悪かったと思っているということと同義であると認めてくださいね、という儀式が、あの頭を下げるお詫び会見という話なんです。
 結果から、動機を推測してください…という話ですから、分かりにくいと思いますが、ちゃんと謝ったのだから、悪かったと思っているのだろう…と思ってくれる人は多いので、この方法が採用されているってことです。人間が、心で思っていることを読めないからこそ、使える方法ですね。
 わかりにくかったら、連絡ください。もうちょっといい説明がないか、考えてみます。

Re: 補足

> まこさん

こんにちは。丁寧なコメントをありがとうございます。
うーん、なんとなく。形から入るというか、形が適切なら中身も適切に思ってもらえる、ということでしょうか。

私は「関係壊れてもいい」と思う沸点が多くの人よりも低いようで、私の基準でありえないと思うと、そういう人に譲歩してまで人間関係を維持する必要をあまり感じません。仕事や医療はそれでも良好な人間関係があった方がいいなと思いますが、それでも、私が「このお医者さんとは謝ってでも関係を維持したい」と思ったのは、実は結構珍しいんです。
(先生、自慢していいですよ!)
ただ、まこさんおっしゃるところの経験を積むというところからすると、こうやって「ダメならダメでいいやー、別に未練もないもんね」式の人間は、ますます謝るのが下手になるわけですね。
プライベートはそれでも自分がそれでいいならいいような気もしますが、仕事なんかもありますし、謝る技術を覚えておくにこしたことはないと思います。

ところで、しかし、社長は悪いと思って会見してるわけじゃないんですか。
普通悪いと思って会見しているからこそ、誠意のない会見は「誠意が感じられない!」と批判されるのだと思っていました。

世の中の人は難しいことを考えながら謝っていて、それを聞く方もいろいろな判断をしているのですね。
私がこの先どの程度謝る技術を覚えていかれるかは分かりませんが、少なくとも「悪いと思って謝る」のが謝罪とは限らないし、それが悪いわけでもないということは覚えておこうと思います。

いつも長々とすみません

>うーん、なんとなく。形から入るというか、形が適切なら中身も適切に思っても
>らえる、ということでしょうか。
大体、その解釈で、困らず生活できます。なぜならば、悪かったと本気で思って謝っている時と、悪かったと思わずに、でも態度は本気で謝っている時と変わらないように演技して謝ったときの区別がつかないからです。
 「本気を見せろ!」「誠意を出せ!」…と言葉でいうのは簡単ですが、本気も誠意も、これがそうです!という形に見えるものではありません。ですから、本気の証明が誰にもできないので、本気に「見えれば」もう、謝ったということで、それ以上の話…たとえば、同じことをやらないようにする対策とか、迷惑をかけた人への賠償とか…というような話を進めることになるわけです。

 謝っている人に「誠意がない!」とか怒る人がいますが、「文句がつけたい」「腹立たしい」「許す気にならない」…といったようなことを言葉に出すとそうなるということです。謝り方に文句のつけようがない場合でも、「誠意」といったような証明のできないものについてはいくらでも文句が言えるからです。
 誰かがまじめに謝っている場合には、もう「謝罪は受け取りましたよ、これからの埋め合わせとか、再発防止策に期待します」ということにしておくのが「大人の対応」ということになっています。

Re: いつも長々とすみません

>まこさん

コメントありがとうございます。私としては謝罪ってそんなものというのはなんとなく、目からうろこが落ちたというか意味が分かったというかでありがたい気がする反面、やっぱり謝罪というものがそれでいいのか悪いと思う気持ちがあってこそのものじゃないのという納得いかない感は残るのですが、おそらくまこさんのご説明が世の中多くの人の基準なのなら、それを分かっておきたいとは思います。
でも対策とか賠償とか埋め合わせとかを求めているわけではない場合もあると思うのですが・・・それともそういうものを求めているわけじゃないといってもやっぱりそういうものを求めてるんですかね。
大人の対応、難しいです。

会社の場合は

会社の不祥事みたいなことの場合には、賠償は必須になったりします。例えば電車の大規模事故とか、飛行機が落ちたとか、建物の手抜き工事とか…というようなものです。この場合は個人のお付き合いというよりは、社会的なものです。
ですが、個人間の場合は、お互い謝罪して終了ということも多いですよ。賠償が必要な場合は弁護士さんが間に入るようなケースが多いので、あんまり普段は気にしなくていいと思います。
 ただ、個人間でも「悪いことをしたなあ…」と思っている人が、埋め合わせに相手にやさしくしたり、贈り物をするケースもありますから、これは難易度が高いですね。
 そういうことをしない人だ、ということで通しておくほうが簡単だと思います。
プロフィール

あゆみ

Author:あゆみ
大人の(成人)発達障害です。「発達障害のわたしのこころの声」(学研)の著者です。
本には書けなかったこと、本を出してからの日々を綴っています。
会社員と一人暮らしが出来ていているのに、発達障害は確かなようです(診断済み)。



発達障害のわたしのこころの声 (ヒューマンケアブックス)

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