通訳デビュー!

取引先との会議の通訳をやれと言われてやってきた。

私の英語は本職の通訳レベルからはほど遠いし、もちろん専門的な訓練を受けたこともない。
(なお、「英語話せるなら通訳出来るでしょ」と思う人が世の中多いけれど、本当の通訳というのはすごい訓練をしている。単に英語が話せるぐらいでは通訳というのは務まらない)
まあそれは社内の会議の通訳ぐらいは仕方なくしたこともあるけれど、取引先との重要取引の通訳というのはさすがに初めてだった。

会議の時間を聞くと、さらりと「10時から14時」と言われた。
よ、よじかんのかいぎですか?
とはいえ通訳入りの会議は翻訳の時間がかかるので、通常の倍必要なのはしょうがない。実質二時間か。
でも10時から14時って、お昼ごはんは…(←これ大事)

こちらからは米国の責任者が出席すると言ってあったので、もしかして先方が英語話せる人連れてきてくれないかなと淡い期待をしていたのだけれど、そんな美味しい話があるはずはなかった。
先方3人はばりばり日本語。専門分野の話なので、専門用語だけはカタカナ英語を使っているものが多かったが。

ま、英語を話せないのはヨシとしましょう。ここは日本だ。

だけど、もっと分かりやすい資料を持ってこーい!

既にこちら側から「こういう点について教えて欲しい」とリクエストを出していたようなのだけれど、先方が作ってきた資料の最初に「他社様との取引実績」の紹介があった。
テクニカルな部分は図になっているので、日本語が読めなくても米国側の出席者には意味が分かる。だから、「こういうシステムなんだな」ということは理解できてしまうのだが、「他社事例」という日本語は読めない。
従って米国出席者は「こんなシステム依頼してない。どうしてこんなシステムの説明を持ってきたんだ」と理解できない。
「これは弊社の他社様との実績でございまして」と先方が言うと、「これしか実績がないのか!」と驚く。
「過去の他社との実績のうち、いくつかを例として挙げてくださったとのことです」と伝えると、「どうしてそれが必要なの? 自分は当社への提案を依頼したのに、他社の例を持ってこられても困る」と言う。
それもまあその通り。
というか、当然他社事例の有無なんか尋ねてないんだから、余計な情報持ってくるな。たたでさえ4時間の長丁場なんだぞ。話長引かせるな。

私の通訳は素人なので逐語訳(言ったことを言葉通りに全部伝える)ではなく、ポイントだけを伝える。
つまり例えば「お手元の資料の22ページをご覧ください」と言われたら私は"page 22"と言う。
これでいいのだけれど……それぐらいなら先方も言えるでしょう。ページ数ぐらい英語で言ってよ。
そして長ったらしい説明を長々と切れ目なくするのやめてよ。私が通訳するんだってば。メモ取れないんだから(本職の通訳はメモを取りながらまとまった長さの話を訳せる)そんなに長い説明覚えきれんわ。
もう、適当に先方の話を遮りながら訳した。
2,3回これをされたらどのあたりで区切るか様子をつかんでもいいと思うのだが、先方の担当者は気がきかず、何度でも長々と話を繰り返す。まったくもう。

12時過ぎにハンバーガーとコーラが運び込まれた。
うう、ランチ付きかい。
そのまま会議室でハンバーガーをコーラで流し込み、15分後には会議再開。
結局会議は5時間以上に及んだ。

最後のお見積りだけ英語で出てきた。
項目を確認していた人が「このmoving costって何?」と聞いてきた。
moving cost? なんだ?
と日本語資料を確認すると、旅費交通費。
travel expenseだと説明すると、聞いていた先方は、「すみません、グーグル翻訳で頑張ってみたんですが」と。
客先に出す見積書にグーグル翻訳って…

はぁぁぁ。
それなりに無事に内容は伝えられて良かった。へー、こんなことまで確認するのね、こんな仕組みになっているのね、と面白かった。
でも私は通訳で入ったわけじゃないぞ。こんなの職務内容に入ってないぞ。っていうか、通訳に駆り出されている間に私の本来の仕事は積み重なっていくばかりだ。
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プロフィール

あゆみ

Author:あゆみ
大人の(成人)発達障害です。「発達障害のわたしのこころの声」(学研)の著者です。
本には書けなかったこと、本を出してからの日々を綴っています。
会社員と一人暮らしが出来ていているのに、発達障害は確かなようです(診断済み)。



発達障害のわたしのこころの声 (ヒューマンケアブックス)

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