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デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士 (文春文庫)


私には発達障害があって、つまりは障害者だ。
でも、だからといって、私に他の障害者の気持ちや苦労が分かるわけではない。
この本は、今まで考えたこともない聴覚障害についていろいろなことを教えてくれた。

この小説の主人公は手話通訳士。家族が聴覚障害者(という言葉も当事者は嫌っていると書かれているが、ここでは慣例に従って
そう書く)というころで、主人公自身は聞こえるのだけれど、子どもの頃から手話環境で育っており、いわば手話のネイティブスピーカー。でもだからといって手話を活かした仕事をしたかったわけではなく、食い詰めて仕方なく手話通訳士になっている。つまり、手話や、聞こえない家族に対して複雑な思いを持っている。
話自体はミステリー仕立てになっていて、これもそれなりにきちんとした構成なので、ミステリーとして読んでいても面白い。でもやっぱり、今まで全然知らなかった聴覚障碍者のコミュニティや生活や手話について知れるのが面白い。
障害者雇用でも聴覚障害者のコミュニティはちょっと特殊だという話は聞いたことがあったけれど、なるほど、とも思った。

昔、近所に聴覚障害者の夫婦と二人の子供という家族がいた。ご夫婦は全く聞こえないということで普段周囲の人とのコミュニケーションは筆談だったけれど、子どもは二人とも健聴者。お兄ちゃんと妹で、当時小学生だったお兄ちゃんは、周囲の大人と親との間の通訳を務めていた。妹はまだ保育園児だったけど、親とは手話で、それ以外の人とは言葉で話していて、バイリンガルだねと感心したものだった。お母さんが言うには、妹はお兄ちゃんに通訳を任せているけれど、お兄ちゃんの方は3歳ぐらいから親の通訳をするようになっていたそうだ。
すごいなあと当時は感心した。
でも、この本の主人公はそういう立場(ただし兄も聞こえないので、主人公は家族で唯一聞こえる)で、その複雑な心理というのが…痛々しい。そうか、バイリンガルだね、すごいね、通訳えらいね、というような単純なものじゃないんだね。

主人公は、遺伝を恐れて子どもを作れない。
これはよく分かる。
遺伝性でないとはっきりしていない限り、障害があり、その障害で苦労してきた人(あるいはその血縁者)は、子どもを持つことを恐れるだろう。

あの兄妹もあれから・・・ああ、もう30年も経っている。
元気にしているだろうか。

とにかく、設定が面白く、そして自分の知らない障害について考えさせられる本だった。
続編には発達障害の子どもも出てくるらしい。
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2019.06.30 Sun l 日常 l コメント (0) l top
前回のメンタルクリニック通院時に、先生が醸造酒より蒸留酒を飲むという話を聞いた。雑談のような会話の中での話で、別に先生から蒸留酒を薦められたとか、そういう話ではない。
ただ、この先生、私よりも年上なのだけどスリムだし、自己コントロール出来ているんだろうなという感じなので、「蒸留酒にすればダイエットにいいのかも!」と思って、なるべく蒸留酒にしようかな、と思った。

昨日、夕食にピザを食べに入った。まあこの時点でダイエットっていうの本気じゃないでしょという感じのメニュー選択ではあるのだが。でも今週しんどかったから、ご褒美。
最初につまみながら生ビール。そりゃ、最初の一杯はどうしても生飲みたいし。
それからピザに進んで白ワイン。ピザはやっぱりワインでしょ。

ワインもグラスに一杯で、量的には飲みすぎたとかそういうことではない。
でも、帰り道に落ち込み始めた。
私って、なんでこんなに意志が弱いんだろう。蒸留酒って思いながらどうしてビールやワインを飲んじゃうんだろう。ほんとにダメダメだな。だからダイエットだって成功しないし自己コントロールも出来ないし。
更に家に着くころには、こんな意志も弱くてダメダメな私って生きていてもしょうがないんじゃ……という厭世的な気分になってきていた。

頭の中のどこかでは、「いやいや、蒸留酒でなくて醸造酒を飲んだからといって、そこまでの話じゃないでしょ」と分かっていなかったわけではないのだけど、気分はどんどん落ち込んで、「もうこんな私、しんでしまった方がいいんじゃないか」にまでなってきてしまったので、「これはもう今夜は立ち直れそうにない」と諦めて、お薬飲んでさっさと寝た。

今朝はだいぶん回復していて、睡眠のおかげかお薬のおかげか分からないけど、やっぱりそこまで落ち込むような話ではないと思った。なんだったんだろう。
分からないけど、あんなことでそんなに落ち込んでしまうなら、ほんとに醸造酒はしばらく我慢した方がいいかもと思った。
醸造酒好きなのに…。
先生も罪なこと、言うよ…。
2019.06.29 Sat l 日常 l コメント (0) l top
お寿司が食べたい気分になり、家近くのお寿司屋さんにふらっと入った。
カウンターでまずは「生、ジョッキでください」

ヒカリモノが好きなので、まずはヒカリモノでお刺身を。シメサバ好きなのよねー、あらアジも美味しい、小肌もうまいっ!
箸休めにタコネギサラダが気になり食べてみると、ネギが胡椒味なんだけど、お醤油が基本のお寿司屋さんで胡椒というのは意外性があって何とも美味。
それからちょっと握ってもらって、この辺で焼酎お湯割りを追加。
〆は納豆巻き。満腹になってしまってあら汁までは食べられなかった。
んー、お寿司はやっぱり美味しい。美味しいお寿司屋さんの空いてる時間帯にカウンターで食べるの最高。

そろそろウナギもシーズンか。食べに行かなくっちゃ。

…こんなことを気軽にしようと思うと、仕事が嫌でも会社行きたくなくても辞められないなあと思う。
そしてお寿司や鰻と天秤にかけられる程度の仕事の嫌さなら大したことないさ、と自分に言い聞かせる。

明日明後日頑張れたら、金曜日は帰りに鰻食べようかな。
2019.06.26 Wed l 日常 l コメント (0) l top
発達障害の理解・支援のためのセミナーのようなものに参加した。
配られた教材の中に、「発達障害の人の会話はこんなふうにミスコミュニケーションが生じてしまう」というような例として、ステーキ屋さんでの店員さんとお客さんの会話例というのが載っていた。

店員「お待たせしました。ご注文のステーキです。鉄板が熱いのでお気をつけください。ソースをおかけしてよろしいでしょうか」
客「…ソースをかけない場合はどうやって食べるんですか?」
店員「申し訳ありません。皆さんにソースをおかけしております」
客「じゃあ聞かないでいいでしょ」

読んで、「なるほど、これはイラっとするわ」と思った。こんなまだるっこしい分かりにくいこと言われちゃね。発達障害の人に接客業向かないよ。大体、店にもマニュアルぐらいないのかね。
まあこの店員さんが発達障害だって分かっていればお客さんだって「障害ならしょうがないか」って思うかもしれないけど、世の中のお客さんがみんなそんなに理解あるわけでもないだろうし。

そう思った私は、解説を読んで愕然とした。
それぞれの心の中の声はこういうことだったらしい。

店員「お待たせしました。ご注文のステーキです。鉄板が熱いのでお気をつけください。ソースをおかけしてよろしいでしょうか」
(マニュアル通り、鉄板が熱いことの注意喚起と、ソースをかけることに対して注意を惹いている)
客(ソースをかけていいかどうか判断を求められた。でも判断するには判断材料が不足している。ソースをかけなかったらどうすればいいんだろう)「…ソースをかけない場合はどうやって食べるんですか?」
店員(嫌味な客だな。クレーマーか?)「申し訳ありません。皆さんにソースをおかけしております」
客(なら最初からソースかければいいのに)「じゃあ聞かないでいいでしょ」

解説「発達障害のある方はこうやって質問を文字通りに捉え、言外の意味が分からず、論理的に理詰めで考えてしまいます」
発達障害があるのはお客さんの側だった…。

私はこの例では完全にお客さん側の思考回路だ。つまり発達障害的か。いや、発達障害なんだから「的」っていうのも変だけど。
思い起こせば、飲みに入ったお店でメニューの質問をしただけなのに一緒にいた人達に「店員さんを詰めないで」と言われたことがある。
ショックだった。考え方の違いはまだしも、分からないことを聞いただけのつもりでも「嫌味だな。クレーマーか?」なんて思われたりしているかもしれないのか。

「かけてよろしいでしょうか」と言われて、かけなかったらどうするんだろうって思うのは別に変じゃないと思うんだけど。
皆さんにかけているということなら、「ソースおかけします」と言えばいいと思う。
2019.06.25 Tue l 発達障害 l コメント (0) l top
「会社行きたくない…」と思いながら、出社した。

こういうのは頑張って行っちゃった方が楽になるんだ。ずる休みして家にいたら余計罪悪感でしんどい。頑張ってれば乗り越えられるから。
…実際そういうふうになることも多くて、私の中には「頑張れば乗り越えられる」という成功体験がある。だから、頑張ろうと思う。

だけど…。いつも頑張れば乗り越えられるっていうわけじゃないんだよなー。
後になって考えてみると、適応障害を起こしていたころはもっと早くギブアップするべきだった、もっと早くずる休みでも何でもして一息入れるべきだったと思う。でも、「休んだらもっとしんどくなる」と思い込んでるから、休めない。

確かに、頑張って乗り越えられるときはある。辛いときに逃げてばかりというわけにもいかない。
でも、逃げるべきときもある。頑張りすぎて潰れてしまうときもある。
…どうやって見分けたらいいんだろう。どの辺まで頑張って、どの辺で諦めたらいいんだろう。

ああ。宝くじ、当たらないかな…(もちろん買ってません)
2019.06.24 Mon l 会社 l コメント (0) l top
今回は、「アルコールは飲むなら蒸留酒」という先生の真似をしてみることにした。

しかし私は日本酒やワイン(醸造酒)が好き。蒸留酒で好きなものというと、あ、焼酎がある。
でも炭酸しゅわしゅわ(ビール)も飲みたいしな。
と考えて、すごいアイデアを思い付いた。

ノンアルコールビール(カロリーオフ)で焼酎を割ればいい!
アルコールは蒸留酒になるし、ビールテイストで炭酸味も楽しめる!
私って、なんてすごいアイデア思いつくんだろう♪ すごいよ私。これ、流行るかも!
ビールテイスト炭酸飲料の焼酎割だ!

あれ?と思った。ビールテイストの炭酸飲料の焼酎割…なんか、覚えがある。

ホッピ―だよ、それ……。

全然新しくなかった。流行るかもも何も、昭和からある飲み方だし。
がっくりしながら、それでもノンアルコールビールで焼酎を割ってみた。
うーん、微妙だった。これならホッピーの方が美味しい。

結局、ノンアルコールビールを飲んでから、焼酎のお湯割りを飲んだ。なんだ、なんか結局普通の飲み方だ。
2019.06.23 Sun l 日常 l コメント (0) l top
私はたぶん働くことが嫌いで、だから特にこれという理由がなくても周期的に「会社行きたくない病」を発病する。
だから、これはしょうがないし、我慢して何とかやり過ごしていれば持ち直すことも多いはず…と分かってはいるのだけれど。
また、ここのところ会社に行きたくない。会社にいる間、憂鬱で落ち込んでやる気が出なくてしんどい。
でも、冷静に考えて、今転職したところで次の方がマシなんていう保証はないしなあ…というか、今の会社はかなりいろいろと自由が利くし、人間関係も楽だし、仕事も慣れているし、普通に考えて恵まれた状況だと思う。それになんといってもノイズキャンセラーを使って仕事が出来るというのも意外と大きい。休みも取りやすいし、出勤時間も細かいことは言われない。それになんていってもまだ転職して1年半。こんな時期で転職しては、履歴書にまた傷が増える。
我慢して働くしかないか。

これだけ恵まれた環境でもこんなに行きたくないと思う私は、根本的に会社勤めに向いていない気がする。
でもじゃあ何が出来るかと言われると、なかなか難しい。
生きていくには稼がないわけにはいかないしな…ああ、親や配偶者に暮らしを支えてもらえる人が羨ましい。

もし親に「働けないので実家に住まわせてください」って頼んだらどうなるだろう。
そう考えてみると、「まあ、自分で働くしかないな」と思う。
むしろ逆に、この歳で、親の介護や親への仕送りがないというのは、親に感謝しないといけないぐらいだろう。

ストレス解消に手っ取り早い方法は美味しいご飯とお酒なのだけれど、ダイエットに全然成功しないまま再び体重増加傾向なので、そうそうがつがつと食べて飲んでというわけにもいかない。
このストレス、どうやって解消しようか。まだ土曜日なのに、もう月曜日が憂鬱だ。
2019.06.22 Sat l 会社 l コメント (0) l top
診察の終わりにお薬の話をしている際、先生から「レクサプロ、今4分の1錠で飲んでいるんですよね。そうすると前回の分、まだ残ってるでしょ。(次回通院日までの日数の)半分だけ出しておこうか?」と言われたので、「それでお願いします」と答えた。でも、ずいぶん細かいな、普段そんな細かい調整ないのにな、と思って、「あ、レクサプロ、薬価高いからかな」と思った。
私は片頭痛のお薬も時々処方してもらっているのだけれど、これも最初の処方のときには「このお薬、3割負担で1錠300円するんだけど、何回分出す? 最初は2回分ぐらいにしておく?」と言われたこともある。
そうかと思うと、「まだ結構余ってますが、次回通院日までもつかどうかは確認していなくて」と言ったお薬について「じゃあ一応日数分出しておきましょう。予備もあった方がいいだろうし。安いお薬だから」と言われたこともあった。

先生、薬価まで気にしながら処方してくれている?

いや、それどころか「ワインを呑めば1本空けてしまいます」という話をしたときに、アルコールの多さよりも先に「結構高いでしょ」と言われたから、薬価だけでなく、経済状況を心配されている?
んー、確かに私、いつも同じ服だし、靴や鞄も安物だし。貧乏に見えるかな。
でも、自立支援の自己負担上限額を見れば、ある程度の収入があることは分かるはず。

でも半分の日数分というのは変な処方だったようで、ドラッグストアに処方箋を持っていくと、薬剤師さんから「リスパダールが20日分なのにレクサプロは10日分になっていますが、次回の通院日はいつですか? 先生に確認しましょうか?」と尋ねられた。
2019.06.22 Sat l メンタルクリニック l コメント (0) l top
そして、今回のメンタルクリニックの診察時間は、16分だった。

「診察時間は5分から最大10分を想定しています」と掲示されているメンクリだ。
(診療報酬という観点からは、精神科は5分で回すのが一番効率が良いらしい)
自分が待っている間に他の患者さんたちの診察時間を見ていると、10分前後が多い。
短い人では数分のこともあるけれど、大体10分前後かな。
16分なら、長い方ではあるにしても、ぎりぎり許容範囲だと思う。

実は、ブログで書くのすら気が咎めていたのだけれど、前回の診察時間は41分だった…
初診でもないのにこんな診察時間、本当に迷惑でごめんなさい。
もう、この時はぐちゃぐちゃと今更言ってもしょうがないことを繰り返し口にしては泣きじゃくった。

先生もいくら仕事とはいえ持て余したと思うのだけど、こういうときに私の先生は本当に優しい。
迷惑がるそぶりも見せずに、辛抱強く私の話につきあってくれて、力づけてくれた。

それもあって今回の診察時間は絶対に短く切り上げようと思っていた。先生に甘えるのが当然というふうになったらいけない。

だけど、先生が優しいんだよね。
ついつい、ふわっと安心してしまって、緊張や苦しさが緩んで、「もうちょっと先生の声聞いていたいな」なんて思ってしまう。
2019.06.20 Thu l メンタルクリニック l コメント (2) l top
通院時に待合室で待っていると、私の前の人が出てきたときにドアを開けたまま、先生と会話を交わしていた。
会話の内容までは分からなかったけど、「あれ、先生、鼻声?」とちょっと思った。

呼ばれて、診察室のドアを開けると、先生がマスクをしていた。

私は人の顔色や様子を見て取るのがとても下手で、不調な人の体調に気づかないことが多い。悪気はないのだけれど、観察力がない。
でも、このときはさすがに先生具合悪そうという感じで、こんにちはとも言わず、「先生…」と言いかけた。お加減悪いんですか?と言うまもなく、おそらく毎回診察の患者が来るたびに同じことを言われているのだろう先生は、「すいません、マスクで」と言ってきた。
それで、「大丈夫ですか? というより、あまり大丈夫そうじゃないですね」と言うと、「先週はあまり大丈夫じゃありませんでしたけど、今週はもう大丈夫です。今日はだいぶマシです」とのこと。でも、「もう10日ぐらい調子悪くて、体重もずいぶん落ちました」なんて言っていた。
体重落ちたというところは羨ましくて、「風邪ダイエットですね」と言うと、「不健康極まりないダイエットでした」とのことだった。ま、そうね。

というわけで、明らかに具合悪そうな先生。
対する私は体重減って羨ましいと思うぐらいなのだから、つまりは食欲旺盛、睡眠も取れていて、気分もまあまあ。
どう見ても、私の方が健康体だよなーという感じだった。

でもそこはお医者さん。
「具合はどうですか」と聞いてくれるのは先生の側だ。
お医者さんて、大変な仕事だなあと改めて思った。

だけど、明らかに具合悪そうな先生なのに、優しい表情をするんだよね。
私は人の顔を見るのは苦手なので診察中はほとんど床や先生の足元を見たまま話をしているのだけど、時々ちらっと先生を見てはホッとした。
自分が具合が悪いときに他人に安心感を与えられるって、すごいよねえ。

私は自分が具合が悪いときには他人に全然優しくなくて、露骨にしんどそうでイライラした様子を見せてしまいがちなので、反省しなくてはと思ったのだった。
ま、お医者さんと比べてもしょうがないのだけれど。
2019.06.19 Wed l メンタルクリニック l コメント (2) l top