ベタナミンはやはり覚せい剤

一時期、お薬の副作用か抑うつ状態から来るものかは不明ながら、日中の眠気がひどかった時にカフェイン剤を処方してもらっていた。だが、それでも効かなくなった時期にベタナミンというお薬を処方してもらった。
このお薬、ネットで見るとリタリン(覚せい剤代わりみたいな利用が問題になり処方が制限されたお薬)をちょっとマイルドにした感じのようで、まあ処方薬だから合法というだけでほぼ覚せい剤らしい。
それでも確かにこのお薬を飲むと目が覚めるので、背に腹は代えられないと一時期服薬していた。朝昼各1錠。朝1錠飲むだけで夕方まで効くことも多く、処方内で飲んでいた。
状況が落ち着いた頃に断薬したが、特に問題もなく断薬できた。

それ以来特に必要とすることもなかったのだけれど(通常の眠気ぐらいであればコーヒーや市販のドリンク剤でごまかしている)、海外出張のときだけは時差ボケ対策に使っていた。
私は時差ボケがひどいタイプで、本当に仕事にならないのだ。まあ観光ならぼーっとしていても良いので気にしないのだけれど、仕事は困る。
それでいつも苦しかったのだが、睡眠薬とベタナミンを覚えてから、出張がとても楽になった。夜は寝られるし昼間は起きていられる。

ところが今回、アメリカ出張にあたっては使い慣れているお薬を持ち込むことが出来ず、使い慣れない睡眠薬と、あとベタナミンを持っていった。
この使い慣れない睡眠薬が見事に効かなかった……。
毎晩2,3時間しか寝られない日が続き、疲労ばかりたまり意識は朦朧。
しかしさすがベタナミン、そんな泥のような状況で朝に目覚ましのアラームが鳴ってもあら不思議、枕元の水でベタナミンを飲むと、ものの数分で目が覚めてくる。
出勤前にもう1錠のみ足しておくと、会社に行く頃には冴えた頭で仕事に迎える。
お昼頃にもう2錠ぐらい飲んでおけば午後も眠くなるどころか絶好調だ。
夕方もう一度追加すれば夕食に連れていってもらっても寝落ちしない。

だが、ふと不安になった。
1日2錠だった処方をずいぶん超えてないか?

それでメンタルクリニックの先生にメールした。
「睡眠薬が効かず日中の眠気が強いためベタナミンを多めに使っています。実際上の上限(←処方上の上限は超えているので)はありますか?例えば1日10錠飲んだとして危険はありますか?」
お薬についてはメールで質問していいことになっており、時差を確認した上で送っている。
1日経っても返信がなかったので(その間、不安には思いながらもベタナミンは飲んでいる)、「お返事がないということは特段のリスクはないということだと理解しておきます」と追伸したがそれでも返事がなかったので、そういうことだろう、自分が気にしすぎだったかと思ってそのまま出張中はベタナミンを飲み続けた。

ところが……。
この「集中力」「冴えわたる感じ」の心地よさが帰国して時差ボケがなくなってからも忘れられない。
普通に会社で仕事をしていても、あの状態が欲しいとベタナミンが飲みたくなってしまう。
「ベタナミンを飲めばこんな仕事すぐ片付くのに」「すっきり集中できるのに」と思ってしまう。

これは依存ではないだろうか。
必要ではないのに、飲んだときの心地よさ(ハイになるとかではないが)が欲しくて、ベタナミンに手が伸びそうになる。
これはまずい、残りは捨てようと思うのに捨てられない。

メンタルクリニックを受診した際、開口一番先生の方から「ベタナミンは返信できなくてごめんなさい。気づいたのがもう遅かったし、あなたはそうはいっても10錠も飲んだりはしないだろうと思ったから」と言う。
「10錠までは飲みませんでしたが」と言って状況を説明し、先生からの質問に答えているとやがて先生はこう言った。
「うーん、私の外来でそういう状況になっちゃう人はあんまりいないんだけど……。あなたの場合はアルコールもそうだけれど、こういうお薬に親和性が高いのかもしれないなあ」

先生!
やっぱりこの状態は依存なんですか!(「親和性が高い」というのはそういう意味に感じた)
というか、先生の外来の何千人がそうならなかったところで、私にとって私が依存してしまったらそれは私には大きな問題なんです!
だから、メールしたじゃないですか! 本能的に不安だったんですよ!

先生が「……次の出張はいつ?」と聞いてきた。
「当分ありません」と答えた。
すると先生は「ベタナミンはまだ手元に残ってる?」と聞いてきたので、「少しだけ残ってます」と答えた。
本当は、まだかなり(数えてないけど何十錠か)は残っている。
私はこの先生に嘘をつくことはまずない。
だけど、とっさに嘘をついてしまった。
こんなことを話したら、もう今後処方してもらえなくなるかもしれない、と思ったら不安になったのだ。

以前、自分がアルコール依存になりかけているのではないかという相談をしたとき、この先生は「アルコール依存の人の治療が難しいのは、アルコール依存の人は嘘をつくからなんですよね(飲んでても飲んでないと言い張る)」と言ったことがある。
この基準で言うと、私はますます……?

とにかく、もうベタナミンは飲まないことにしようと思っている。
そしてもし飲んでしまったとしても、正直に話そう。
この先生には、嘘はつきたくない。
(そもそも先生が返信くれれば良かったんだけど……)

しかし、昔からニュースで芸能人やクリエーターが、インスピレーションを求めて薬物に手を出したなんていう話を聞くたびに、「薬物でインスピレーション得られたって実力じゃないのに、それで本人いいのかな」なんて思っていたのだが、普通の会社員の、しかも処方薬レベルでも、自分の最高潮でパフォーマンスが出来るというのはこんなに気持ちが良いものなんだな、と思った。
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そして何度目かの診断書

転職したばかりなのに、アメリカ出張に行くことになった……。
人使いが荒いよ。そりゃ、転職してヒマなのも困るから忙しい方がいいとは思いましたよ。でもモノには限度がある。

ま、しょうがない。

というわけでアメリカに持ち込むお薬には証明書が必要です。
通院先のクリニックには「診断書は2週間前までに申し込みのこと」というルールがあるのだけれど、通院日が近かったので慌てて電話した。
受付の人に「〇〇日に行くので、そのときに」と頼むと「診断書は2週間前までに」と言われた。
それで「今までも何度も出していただいていて、日付だけ更新していただければいいんです」と押すと、過去の履歴を調べたようで「あぁ、分かりました。では先生にはその旨伝えておきますが、もし間に合わなかった場合にはご了承ください」と言われた。
たぶん問題なく出してもらえると思う。

が、ほぼ本当に日付だけの変更なんだよね。
これで数千円かかるのはかなり悲しいので、前回のをそのまましれっと持っていこうかと思ったのだけれど。

持参するお薬の中でも一番大事な睡眠薬。
普段私が飲んでいる睡眠薬はアメリカでは麻薬扱いで持ち込みが出来ない(お医者さんの証明書があっても不可)。
どの睡眠薬を持っていくかを相談しなければ。
なので記載するお薬を変える以上、新たに診断書が必要なのはしょうがない。
(この睡眠薬、なぜアメリカではそんな危険な薬物指定がされているのかというと、その作用が強力で、しかもアルコールと併用すると健忘を起こしやすいことから、デートドラッグ(アルコールに混ぜて飲ませてレ〇プする)として使われたものらしい)

ところでこの先生、数千円もする高級診断書をよく間違える。
受け取ったときにはちゃんと確認することも忘れないようにしなくては。
じゃなかった、受け取ったときでは遅いから、診察中に画面で確認させてもらうようにしないといけないんだった。

この先生の診察に私は普段とても満足していて安心できて有難いと思っていて、これを保険診療の3割負担で受けられる日本の医療制度はすばらしいと思っている。
だけど……診断書は高い。作業30秒ぐらいなのに。

せめて先生、間違えないでください。
そして先生、私が間違いを指摘しても機嫌を損ねないでください。

私のお薬の使い方

つい数年前まで、自分がまさか精神科のお薬を処方されるようになるなど想像もしていなかった……。
当初私のお薬への抵抗感と恐怖感は非常に強かった。ただお薬なしでは生活が困難なレベルになっていたので、やむを得ず飲み始めた。この時は職場の当時の上司のパワハラを主な原因とする適応障害で、不眠と不安が強かった。その後、異動により無事に回復した。適応障害は一度起こすと再発しやすいと聞き心配していたが、今のところ大丈夫だ。

私はもともと眠るのは非常に得意で、今風に言うなら「睡眠力」は高い。
ただ、これ以降、ストレスがかかると寝られなくなることが時々起こるようになり、そして夜寝られないと翌日日中に眠くなってしまうため、会社員としてはこれは困る。それで寝られないときはあまり躊躇せずお薬を飲んで寝ている。

そして、不安の方については今でも不安感が強いときには抗不安薬を飲むことがある。
だが、不安については2種類ある。1つは、「人」に対する不安。苦手な人と話さないといけない、嫌いな人と会議で同席する、こういう場面で心臓がバクバクしてきて手足が冷たくなってくるとはお薬に手が伸びることが多い。
もう1つは、「仕事」に対する不安。人前でプレゼンしないといけない、新しい業務を短期間で習得しないといけない、英語で電話会議の必要がある。こういうときにも心臓がバクバクしてきて手足が冷たくなることがある。しかし、こういうときにはお薬には手は出さない。

この違いは何かと言うと、たぶん過去の成功体験の違いだ。
仕事は長年、不安になっても「こんなの誰でも感じる当然の不安。私は出来る。大丈夫」と言い聞かせて実際にやってきた。だから、「不安には感じても、お薬なしでやれる」と自分に言い聞かせることが出来るのだ。
これに対して対人関係は以前から、我慢して臨んでもやはりうまくいかなかったことが多い。そして最終的には適応障害を起こした。だから、不安になると「自力では駄目かもしれない。お薬の力借りようかな」と思ってしまうのだろう。

不安になるたびにお薬の力を借りるようなことはしたくないなと思っている。
やっぱりそういうのも自分で乗り越えてこそ自信もついていくのだろうし、そういうのも実力のうちなのだろうし。
ただ、お薬なんて絶対駄目!と拒否する必要もないと思っていて、使った方がいい場面では使えばいいとも思っている。
そこらへんのバランスは難しいけれど、漠然というなら必要最小限のお薬は使っていこうと思うし、あとはお薬を持っていることで「いざとなれば」という安心感というかお守り効果があるので、それはそれで助けられているのかな、とも思う。

お医者さんの処方

寝ると嫌な夢を見るので、何か対策はないかと思って、本で見つけたヒルナミンというお薬の処方をしてもらった。
メンタルクリニックのお医者さんは懐疑的な感じだったが、「まあ試してみたいなら」ということで処方してくれた。
数日試したが、このお薬、猛烈に眠くなるので睡眠薬としての効き目は強いが、別に夢の解決まではしてくれない。
次の日に効き目が持ち越しだるくなることもあって服薬はやめた。寝るだけなら今までの睡眠薬で十分だ。

しかしながら、この処方の際、先生は「寝酒はどうですか」とアドバイスしてきた!
私がアルコール依存まで疑いながら苦労してお酒をコントロールしている話はしてますよね???
その私に寝酒を奨めるとは、どういう神経してるんですか???
一般常識としてアルコールは睡眠の質を低下させるなんて当然知ってますよね???

……ところが、効いた。
1杯だけ、と思いながら飲んでそのまま(歯磨きもせず!)寝ると、寝られる。
すごい。
とりあえず手軽だし、これでいっか。

依存でもいいか

電車に飛び込みそうになって、これはまずいと思った。

何か月か前に通院とお薬をやめた一番の理由は、依存したくないということだった。
苦しいときには先生に助けてもらえる。つらいときにはお薬で楽になれる。
こういう考え方になる自分が嫌だった。お医者さんにもお薬にも依存したくない。

当時飲んでいたイフェクサーは効く感じはあったのだけど、ぷっつりとやめた。先生は「本当は一気にはやめない方がいいんだけど」とは言いつつも絶対ダメという感じではなかったので、多少の離脱症状には目をつぶって止めた。
通院も、もう先生に依存するのはやめようと思います、自分で頑張っていこうと思います、と大宣言(?)をしてやめた。

それなのに、こんな短期間で助けてもらおうなんて、かっこわるい。かっこわるすぎる。先生にも自分にも恥ずかしい。

しかし、電車に飛び込んでしまうよりは恥ずかしい方がマシだ。
そう思って予約の電話を入れると、予約が取れたのが1か月後……。
しょうがなく、「当日予約OK」というところを探し、会社近くのメンタルクリニックに飛び込みで行ってきた。
「すみません、そういうわけで、転院を考えているわけではないんですけど」と話したが、そこのお医者さんは気にするふうにもなく「つなぎでいいんですね。全然かまいませんよ」と言って、そしてつなぎという役割通りというのか、ほぼ何の事情も聞かずに私の希望通りのお薬を処方してくれた。
ちょっといいのかこれでという気もするけど、ありがたい。

しかしこのメンタルクリニックの先生、普段の通院先の先生とはかなりタイプが違うと思うのだけれど、話し方はすごく共通していた。精神科医というのはやはり話し方のトレーニングというのを受けるのだろうか。

ただ、慣れたお薬だと思ったのに、意外と副作用がきつい。うーん、具合が悪いのが副作用なんだか症状なんだか分からないという服薬中の負のスパイラルに入りませんように。
プロフィール

あゆみ

Author:あゆみ
大人の(成人)発達障害です。「発達障害のわたしのこころの声」(学研)の著者です。
本には書けなかったこと、本を出してからの日々を綴っています。
会社員と一人暮らしが出来ていているのに、発達障害は確かなようです(診断済み)。



発達障害のわたしのこころの声 (ヒューマンケアブックス)

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